政策のための科学

東日本大震災と原発事故により、日本の電力網にはシステムとしての脆弱性があるとの認識が広まり、スマートグリッドや分散電源の役割が改めて評価され、従来の電力供給システムの見直しが図られようとしています。このような時期にあたり、エネルギー問題の根幹を成す電力網のイノベーション政策を科学的見地に立ち戻って評価することが喫緊の課題となっています。横浜国大が提案し、採択された研究開発プロジェクトでは、電力網のみならず、電力網に対して補完的/代替的な関係にあり、なおかつ安定的な分散電源技術としての燃料電池を取り上げ、総合的にイノベーション政策の研究を行うものです。さらにイノベーション政策の研究成果に基づいて、政府関連機関や自治体への政策提言を行うことを目指します。

研究代表者

秋山 太郎(横浜国立大学成長戦略研究センター長/教授)

プロジェクト概要

東日本大震災以後の電力事情、スマートグリッドや燃料電池の技術革新を背景とし、電力市場におけるイノベーションが注目を集めている。 本プロジェクトでは、適切な市場・制度の選択を考慮した次世代電力システムの影響の数量的評価と適切な電力市場の設計、燃料電池の共同研究開発ネットワークの推定とそれに基づいた燃料電池への公的研究開発支出の評価を行う。これらを通じて、電力分野のイノベーションに関する政策に寄与するとともに、インフラなどの市場・制度の選択を必要とするイノベーション評価のフレームワーク、公的研究開発投資の研究開発ネットワークに対する効果の評価手法を構築し、科学技術イノベーション政策に貢献する



・全体計画詳細
・2012年度実施報告

研究開発プロジェクトの位置づけ

科学技術振興機構・社会技術研究開発センターは、平成23年度における新規プロジェクトとして「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」を公募し、56件の応募から6件の研究開発プロジェクトと2件のプロジェクト企画調査を採択しました。
プレスリリース
横浜国立大学成長戦略研究センターが応募した「電力分野のイノベーションと研究開発ネットワークに係わる評価手法の開発」が「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」として採択されました。(平成23年11月11日)
「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」の目的は、社会における課題とその解決に必要な科学技術の現状と可能性などを多面的な視点から把握・分析しそれらの客観的根拠(エビデンス)に基づき、合理的なプロセスにより政策を形成するための手法や指標などの研究開発を推進することにあります。

イベント

・2012年1月11日 「政策のための科学」記念シンポジウム」を開催しました。 開催報告はこちら。

・科学技術振興機構(JST)・社会技術研究開発センター(Ristex)と中国科学院科技政策管理科学研究所による「科学技術イノベーション政策のための科学」に関する共同ワークショップが2013年8月28日に北京で開催され、本学から石塚辰美教授が本プロジェクトについて報告しました。
プログラム詳細
本プロジェクトに関する発表内容

・中国科学院科技政策管理科学研究所のホームページに、Ristexとの会議開催が掲載されました。
英語版: http://english.ipm.cas.cn/ns/es/201309/t20130904_109118.html
中国語版: http://www.ipm.cas.cn/xwzx/xsxw/201309/t20130902_3922093.html

実施体制全体

グループ構成とタスク間の関係

研究開発実施者

研究代表者グループ(リーダー:秋山 太郎)

氏 名 所属 役職 担当する研究開発実施項目
秋山太郎 横浜国立大学
成長戦略研究センター
センター長 電力市場制度設計の提言、共同研究開発ネットワークを用いた研究開発評価
周佐喜和 横浜国立大学
成長戦略研究センター
副センター長 電力市場の制度調査
石塚辰美 横浜国立大学
成長戦略研究センター
教授 共同研究開発ネットワークを用いた研究開発評価
鳥居昭夫 横浜国立大学
大学院国際社会科学研究科
教授 電力市場制度設計の提言
大山 力 横浜国立大学
大学院工学研究院
教授 電力市場の制度調査、電力市場制度設計の提言
太田健一郎 横浜国立大学
大学院工学研究院
特任教授 共同研究開発ネットワークを用いた研究開発評価
中嶋 亮 横浜国立大学
国際社会科学研究科
准教授 共同研究開発ネットワークを用いた研究開発評価

市場・計量分析グループ(リーダー:鳥居 昭夫)

鳥居昭夫 横浜国立大学
大学院国際社会科学研究科
教授 電力市場のマルチエージェントモデル開発・電力市場イノベーションの数量評価
冨浦英一 横浜国立大学
経済学部
教授 電力市場イノベーションの数量評価
中嶋 亮 横浜国立大学
国際社会科学研究科
准教授 共同研究開発ネットワークの推定と特性の分析
濱上知樹 横浜国立大学
大学院工学研究院
教授 電力市場のマルチエージェントモデル開発

電力網グループ (リーダー:大山 力)

大山 力 横浜国立大学
大学院工学研究院
教授 スマートグリッドの技術動向の調査・電力市場ネットワークシステムの選定
濱上知樹 横浜国立大学
大学院工学研究院
教授 スマートグリッドの技術動向の調査
辻 隆男 横浜国立大学
大学院工学研究院
准教授 スマートグリッドの技術動向の調査・電力市場ネットワークシステムの選定
原 亮一 北海道大学
大学院情報科学研究科
准教授 スマートグリッドの技術動向の調査・電力市場ネットワークシステムの選定

燃料電池グループ(リーダー:太田 健一郎)

太田健一郎 横浜国立大学
大学院工学研究院
特任教授 燃料電池関係の技術動向の調査
光島重徳 横浜国立大学
大学院工学研究院
教授 燃料電池関係の技術動向の調査
松澤幸一 横浜国立大学
大学院工学研究院
助教 燃料電池関係の特許データの整理

研究への協力者

浜野四郎 横浜市 横浜市政策局 局長 アドバイザリーボードのメンバーとして研究開発プロジェクト全般に対して助言、横浜市の政策担当者の派遣
斉藤 忍 IHI株式会社 IHI株式会社 アドバイザリーボードのメンバーとして研究開発プロジェクト全般に対してアドバイス
久村春芳 日産自動車株式会社 フェロー アドバイザリーボードのメンバーとして研究開発プロジェクト全般に対してアドバイス
村上秀記 横浜国立大学 大学院国際社会科学研究科講師、元メリルリンチ日本証券マネージングディレクター ファイナンス実務・電力派生商品市場についての知識提供