コンテンツ産業と法制度

  • 講義概要
  • 一般社団法人日本音楽著作権協会 理事長より
  • 推奨環境
  • JASRAC
  • JASRAC寄附講座
  • 横浜国立大学成長戦略研究センター
  • (2015年度)コンテンツ産業と法制度
  • (2014年度)コンテンツ産業と法制度
  • (2011-2013年度)コンテンツビジネスと法
  • オリエンテーション   川瀬真 横浜国立大学成長戦略研究センター 客員教授
  • わが国の著作権制度の概要   川瀬真 横浜国立大学成長戦略研究センター 客員教授
  • わが国のコンテンツ産業の現状と課題   田口重憲 国立教育政策研究所教育研究情報センター長(前内閣官房知的財産戦略推進事務局 内閣参事官)
  • レンタルビジネスの現状と課題   若松修 日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合 専務理事
  • クリエーターの育成と音楽産業   池田正義 (株)キューブ執行役員アーティストルーム 部長プロデューサー
  • 音楽産業の現状と課題   妹尾智 (株)ソニー・ミュージックエンタテインメントコーポレイト・エグゼクティブEVP ライブビジネスグループ、ネット&メディアビジネスグループ統括
  • 映画産業の現状と課題   小野田光 東宝(株) 映像本部映画調整部契約管理室 室長
  • 放送番組の制作と二次利用の現状と課題  梶原均 日本放送協会 知財センター 専任局長
  • 出版産業の現状と課題   田中敏隆 小学館 デジタル事業局チーフプロデューサー ゼネラルマネージャー
  • キャラクター産業の現状と課題   陸川和男 (株)キャラクター・データバンク 代表取締役社長
  • 音楽の集中管理の現状と課題   大橋健三 一般社団法人日本音楽著作権協会 常務理事
  • 契約システムにおける海外とわが国の違い   福井健策 弁護士
  • 音楽産業 再成長のための組織戦略   八木良太 尚美学園大学芸術情報学部音楽応用学科 准教授
  • デジタル・ネットワーク社会における著作物の流通の変化と制度上の課題   松田政行 弁護士
  • 最近の著作権制度の課題と法改正の状況   田渕エルガ 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 准教授

オリエンテーション

川瀬真 横横浜国立大学成長戦略研究センター 客員教授

担当教官の自己紹介、寄附講座の設置目的・特徴及び今後の講義日程等について説明をする。その後、デジタル化・ネットワーク化が進展する中で、コンテンツの流通にどのような変化が生じているのか、そのことによってコンテンツ産業がどのような状況に置かれているのか、またこのような状況の中で著作権制度は今後どうあるべきかなどについて解説する。

わが国の著作権制度の概要

川瀬真 横浜国立大学成長戦略研究センター 客員教授

次週から登壇されるゲスト講師の講義を聞くにあたって、講義の内容を正しく理解するためには、著作権制度の基礎的な内容について知っておくことが重要であることから、著作権法における著作物、著作者、著作者の権利、著作物の利用、著作隣接権制度等に関する取扱いについて説明する。

わが国のコンテンツ産業の現状と課題

永山裕二 内閣府 知的財産戦略推進事務局 参事官)

政府の知的財産戦略を取りまとめている内閣府知的財産戦略推進事務局参事官という立場で、わが国のコンテンツ産業の現状と課題について説明があった。
まず、知的財産戦略本部や毎年公表している知的財産推進計画の役割等について説明があった後、音楽産業、映画産業等の産業別に、各種統計を使いながら現状と課題について詳細に解説された。また、政府が実施している支援事業や官民との協力事業等にも言及された。

音楽産業の現状と課題

妹尾 智 (株)ソニー・ミュージックエンタテインメント取締役コーポレイトEVP(ライブビジネスグループ、ネット&メディアビジネスグループ統括)

レコード会社の役員という立場で、レコード事業だけでなくライブ事業等も含めた音楽産業全体の現状と課題について説明があった。
まず、パッケージ販売やネット送信等の現状について、音楽産業の発展の歴史等も含めて解説され、その中でパッケージ販売等が減少している中でライブ事業は大きく伸びており、音楽産業全体としては一定の規模を維持していることが説明された。次に課題としてサブスクリプション・サービス、プロモーション・マーケティング、流通の変化、海外との比較等を例に詳しく説明をされた。

映画産業の現状と課題

小野田光 東宝(株)映像本部映画調整部契約管理室室長

映画会社で著作権関係の契約等を担当している立場で説明があった。
まず、映画は極めてリスクが高いコンテンツだが、毎年多くの作品が作られ提供されているとの説明があった後、最近の観客動員数、興行収入等の現状について解説があった。 次に、日本の映画の特徴である製作委員会方式について説明があり、さらに映画製作には映画製作者だけではなく、原作、脚本、音楽など多数の権利が関係していること、映画の製作費を回収するためにどの程度売り上げが必要なのか等について解説があった。

「貸レコード」の誕生と音楽産業

若松修 日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合 専務理事

貸レコード業者を統括している商業組合の役員という立場で説明があった。
まず、最初の貸レコード店が開店して以来今日まで若者の支持を集めている理由、権利者に貸与権を付与する著作権法改正や国際条約の制定等の貸レコードの存在そのものを危うくする危機をどう乗り越えてきたかについて詳細な説明があった。また、貸レコードが音楽の普及に果たした役割やパッケージビジネスが縮小する中で今後どのように取り組んでいくか等についての解説があった。

タレント・マネージメントの現状と課題

中井秀範 日本音楽事業者協会専務理事(元吉本興業執行役員)

芸能プロダクションの団体である日本音楽事業者協会の役員という立場で説明があった。まず、日本と米国のマネージメント・システムの違いについて説明があり、タレント等と専属契約を結び、芸能プロダクションが全てのマネージメントを行うシステムは日本と韓国しかない極めて特殊なシステムであると説明された。また、マネージメントの内容について吉本興業での経験やいくつかの事例をあげながら、キャリア開発、制作、宣伝、営業、経理、法的保護等様々な業務を行っていることを詳しく解説された。さらに法的保護の業務に関連して、著作隣接権や肖像権の管理についても言及された。最後に、芸能界をめぐる環境の変化(CDの売り上げ低下、サブスクリプションサービスの開始、二次利用の伸び悩み、若者のテレビ離れ等)により事業の厳しい現状と対策について説明された。

放送番組の制作と二次利用の現状と課題

梶原均 日本放送協会 知財センター 専任局長

日本放送協会(NHK)の著作権担当者という立場で説明があった。まずNHKの歴史を含め放送業界の現状について、日本の放送体制、市場規模、放送コンテンツの輸出、テレビの視聴状況、インターネットの活用等の説明があった。特にインターネットを活用した新規ビジネスについては詳しく説明された。
また、放送番組は番組制作者だけの権利だけではなく多くの権利者が関与していること、過去の放送番組の二次利用の促進を図っているが契約で二次利用ができないこと、請求される使用料が高額で採算ベースに乗らないこと、権利者不明で連絡がができない場合があること等、著作権契約をめぐる様々な課題について解説があった。

出版産業の現状と課題

田中敏隆 小学館 マーケティング局 ゼネラルマネージャー

出版社の立場での説明があった。まず、出版産業の現状について説明があり、書籍や雑誌については、その規模が縮小しつつある一方、配信は伸びているものの販売の落ち込みをカバーするには至っていないことが説明された。ただ、コミックについては、販売と配信とのバランスが良くなりつつ、下げ止まりの傾向にあることが述べられた。また、その原因としての販売環境の変化、広告媒体としての雑誌の役割低下等について解説され、このような環境の変化の中で、私見と断りつつも、情報発信のリーダとなるための「ピラミッド思考」について提案された。

キャラクター産業の現状と課題

陸川和男 (株)キャラクター・データバンク 代表取締役社長

キャラクターに特化したコンサルタント業務、マーケティング・リサーチ業務等を行っている会社の代表という立場で、キャラクター産業の現状と課題について説明があった。まず、キャラクター・ライセンス・ビジネスの対象、市場規模、市場構造等について説明があった後、キャラクター・マーケッテイングとは何かについて解説があった。次にキャラクター商品市場の現状について、市場調査の統計等を参照しつつ詳細な説明を行うとともに、2015年を概観して、「10年間で市場2番目の大きな市場になった」、「オトナの女性層が市場をけん引した」等の分析結果も紹介された。

音楽の集中管理の現状と課題

世古和博 一般社団法人日本音楽著作権協会 常任理事

音楽著作権の管理事業者の役員という立場で、音楽の集中管理の現状と課題について講義があった。
まず、日本音楽著作権協会(JASRAC)の管理業務の概要について説明があった後、音楽著作権の集中管理の歴史、仲介業務法とJASRACの設立等について解説があった。また、参入規制を事実上撤廃した著作権等管理事業法が2000年に成立し、新規参入があった後の影響やその対策についても、私見を交えながら説明があった。最後に、音楽著作権管理の今後の課題について言及された。

コンテンツビジネスと国際契約・交渉

小林利明 弁護士

外国とのコンテンツ契約に詳しい弁護士という立場で、国際コンテンツ契約を中心に契約に関する説明があった。
まず、コンテンツ関連契約の具体例を複数示した後、国際コンテンツ契約とは何かについて説明があり、過去によくあった海外からの著作物利用の申出に対する悪い対応例の説明があり、日本国内と同様の対応では日本側が不利になる等の解説があった。
その後、契約一般についての説明があり、特に国際契約で問題になる準拠法や裁判管轄について注意点が説明された。

音楽産業 再成長のための組織戦略

八木良太 尚美学園大学芸術情報学部音楽応用学科 准教授

経営学者という立場で、音楽産業と観光産業を融合した「ミュージック・ツーリズム」をテーマに説明があった。
まず、「ミュージック・ツーリズム」とは何かについて説明があった後、イギリスにおける事例や調査結果を参照しながら、日本における導入の可能性について解説があった。その際、日本でも地域で行われているロックやJAZZフェスティバルの紹介、また音楽イベントを活用した観光事業等の紹介があり、日本における潜在的可能性は大いにあると締めくくられた。

*この「ミュージック・ツーリズム」については、2017年2月11日に開催されたシンポジウム形式のセミナーでもテーマとして取り上げでいるので、興味のある人は「セミナー」を参照してください。

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伝統芸能の現状と課題

齊藤裕嗣 国立文化財機構東京文化財研究所客員研究員(元文化庁文化財部主任文化財調査官)

元文化庁主任文化財調査官という立場で伝統芸能の課題と現状について説明があった。
まず、芸能の始まりや歴史について説明があった後、伝統芸能とは何かについて、資料等を示しながら説明があった。また、伝統芸能に従事している者について、西洋芸能や現代芸能のそれと比較しながら説明があった。さらに、文化庁の保護事業等や支援事業についても言及された。
最後に、価値観の多様化、少子化、高齢化、地域社会の過疎化等の時代の変化の中で、伝統芸能も民俗芸能も変化し、新たな価値を創出していく必要があるのではないかとの考えを示された。

最近の著作権制度の課題について

田渕エルガ 横浜国立大学大学院国際社会科学研究院 准教授

著作権制度に関する研究者という立場で、具体的な判例を題材に著作権制度についての解説があった。
まず、学生にとって身近な事件であり、また裁判所が著作権法を解釈をするとはどのようなことかを理解するための事例ということで、中古ゲームソフト事件(最高裁H14.4.25判決)を取り上げたことの説明があった後、事件の概要、争点、裁判所の判断とその理由等について解説があった。
その後、この題材を踏まえ、市場の変化への法制度の対応や、著作権制度の存在の意義等について私見も交えて説明があった。

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一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)の寄附講座の一環として、経済学部に「コンテンツ産業と法制度」を開講しています。知的財産立国を目指すわが国にとってコンテンツ産業の健全な発展は重要な政策課題でありますが、デジタル・ネットワーク社会の拡大に伴い、産業構造の変革、法制度の見直し等様々な課題を抱えています。

本講座では、音楽産業を初めとした幅広いコンテンツ産業の現状と課題について、ビジネスの最前線でご活躍されている講師をお招きして講義を行っていただくとともに、政策立案、法律実務、経営学等の実際のビジネスとは異なる視点から講義をしていただく講師もお招きし、幅広い視点からコンテンツ産業を論じていただくことにしております。充実した講師陣であると自負しておりますので、ぜひ受講してみてください。

2016年度 一般社団法人日本音楽著作権協会寄附講座
「コンテンツ産業と法制度」
担当:横浜国立大学成長戦略研究センター 客員教授 川瀬真
時限:火曜日4限(14:40〜16:10)
場所:経済学部講義棟2号館1F 111教室


一般社団法人
日本音楽著作権協会
理事長

浅石道夫

『コンテンツ産業と法制度』の開設にあたって

JASRACではこれまで、著作権制度を担う次世代の人材を育成するため、法科大学院や大学の法学部を中心に寄附講座を開設してきました。しかし、デジタル化・ネットワーク化により、コンテンツ流通のあり方や著作物の利用の方法が大きく変化し、今や、著作権の知識は法律の専門家だけのものではなく、コンテンツビジネスに携わる全ての人、またコンテンツを楽しむ多くの人にとって必要なものになってきています。

そこで、この度、『コンテンツ産業と法制度』をテーマとして、横浜国立大学経済学部に寄附講座を開設することになりました。音楽に限らず、映画、放送、出版など、さまざまなコンテンツ産業に携わる方々から、各産業の現状と課題について話を聴くことのできる貴重な機会として、また、法制度や契約スキームの面から、文化が持続的に発展していくための仕組みを考える場として、皆さんの将来に役立つことを期待しています。

一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)について

音楽の著作物の著作権を保護し、あわせて音楽の著作物の利用の円滑を図り、もって音楽文化の普及発展に寄与することを目的として、昭和14(1939)年に設立。作詞者・作曲者・音楽出版者など権利者から著作権の信託を受け、音楽の利用者に利用許諾を出すとともに、利用者からお支払いいただいた著作物使用料を権利者に分配しています。

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